
私の故郷、玉野には競輪があります。
ごくごく地方なので競輪というだけでにぎわって、レースの日の朝夕には交通渋滞が起きるほどでした。
車で親と買い物に行くとき、時折渋滞にぶつかって「ああ、しもぅた(しまった)、今日競輪だったか」と言っていたことをおぼろげながら覚えています。
ずっと故郷で暮らし続けている身内から聞いた話だと、市の主要産業に次ぐ経済効果があるらしいのです。

そう考えると「KEIRIN HOTEL」ができたのは自然な流れともいえるでしょう。
KEIRIN HOTELは内装のいたるところで競輪をモチーフにしていて、私は知り合いが泊まった時に見せてもらっただけなのですが、コンセプトカフェのような面白味がありました。
その知り合いと一緒に併設のレストランで夕食を食べたときも、店内にレースならではの電光掲示板などがあり、「これはファンが喜ぶんだろうな」と思ったものです。
何より窓からの景色で、見慣れた海の反対側に競技場があるというのが、仲良しの友達の違った顔を見たようで「これもまた故郷の一面なのか」と不思議な心地がしました。