時代は戦後まもなく、世の中が荒れ果てていたころのことです。主人公の哲也はそんな中で決してお遊びではない命をかけた本物の勝負に幾度も挑み、勝負をするのです。なぜそこまでして勝負をするのか。勝負の世界でしか生きることができない、そんな男もいるのです。息をするように勝負をする。
進駐軍の米兵らとの闇麻雀、むしろ極限の状態にあってこそ彼のカンはさえわたり鋭いきらめきを見せてくれます。駆け出しの坊やであっても雀聖、その気迫と勝負の行方こそが見どころです。本物のギャンブラーというものをそこに見ることができます。戦後、こんな人物は本当にいたのでしょう。彼らが今の日本の礎を築いているのです。運を頼りに生きていく男に魅了されます。