テザー(USDT)は、Tether Limited社が2015年に発行を開始した世界初のステーブルコインであり、米ドルと1対1で価値が連動する設計が特徴です。この安定性により、価格変動が激しい他の暗号資産とは異なり、決済や資産保全の手段として多くの利用者に支持されています。
2025年6月時点でテザーの時価総額は約21兆円に達し、ビットコインやイーサリアムに次ぐ規模となっています。最近では、テザー社が4億5900万ドル分のビットコインを購入し、資産管理の強化とポートフォリオの多様化にも取り組んでいます。

トリビアとして、テザーは米ドル以外にもユーロや金(ゴールド)などに連動したトークンも発行しており、複数のブロックチェーン上で利用できる柔軟性を持っています。一方で、東南アジアではマネーロンダリングや詐欺の決済手段として利用された事例が国連の報告書で指摘されましたが、テザー社は法執行機関と連携し、不正利用防止に努めていると発表しています。
テザーは、安定した価値と高い流動性を兼ね備えたデジタル資産として、今後も暗号資産市場で重要な役割を果たし続けることが期待されます。