『キングダム』では羌瘣(きょうかい)や楊端和(ようたんわ)のように、強い女性キャラクターが登場します。
そうした女性キャラクターは史実にも存在しているのでしょうか。
たとえば羌瘣は、史記『秦始皇本紀』に名前が登場する実在の将軍で、趙を攻めた際に王翦と共に戦果を挙げたと記録されています。
ただし史書には性別の記載がなく、女性であったかは不明です。
また、楊端和も同様に河内方面の将軍として記録に登場しますが、こちらも女性であったという明確な証拠はありません。

一方で古代中国全体を見渡すと、殷王朝時代の婦好(ふこう)という女性将軍が実在したことが考古学的に確認されています。
彼女は軍を率いて戦い、青銅器にその名が刻まれていることから、実在性が高いとされています。
つまり『キングダム』に登場するような「戦場で活躍する女性」は、戦国時代の秦では非常に稀であったものの、完全なフィクションではなく、史実に着想を得たキャラクターであることがわかります。
少なくとも、その時代にも強い女性は存在していたようですね。

