それまでは男児向けのものが多かった「ヒーロー」の世界。
女の子向けのものでは「魔法少女」などが人気で、あくまで女の子は女の子らしく可愛くというのが一般的でした。
そこに登場した『美少女戦士セーラームーン』は、自立した女性たちが力強く戦い、世の女の子たちに大きな勇気を与えました。
そんな『美少女戦士セーラームーン』は、近年では当たり前となってきたジェンダー問題にもいち早く切り込んでいます。
たとえばセーラースターズ編に登場する3人のセーラー戦士「スリーライツ」は、普段は男性の姿をしていて、セーラー戦士として戦う時には女性の姿に戻ります。
原作版とアニメ版で多少の設定の違いがありますが、生物学的には女性でありながら、日常は男性のように過ごしているという点では共通しています。
またセーラーウラヌスこと天王はるかも原作では男性にも女性にもなれる人物。アニメ版では男性の心を持つ女性として描かれています。
こうした性の揺らぎについても他に先駆けて描いていたんですね。