原泰久の大人気漫画『キングダム』。本作の主人公である奴隷上がりの少年・信のモデルが誰か、皆さんはご存知ですか？今回は信のモデルになった中国の伝説的武将、李信について解説します。
李信は中国の戦国時代、末期の秦国で活躍した偉大な将軍です。生没年は不明なものの秦の始皇帝に仕えて中華統一に貢献し、『史記』にもその名が記されています。しかし漫画と史実では相違点もあります。それが彼の出自。
『キングダム』の信は戦災孤児の奴隷でしたが、史実の李信は由緒正しい家系の末裔で、五帝の一人・??高陽氏の血を受け継ぐと語り継がれています。父親の李瑤は秦の南郡の郡守に就任しており、どこに出しても恥ずかしくないエリート一族です。
『史記』では「若く勇猛だった」と褒めたたえられ、秦王・嬴政から篤い信頼を勝ち得ていたのは、対楚戦の惨敗後も処刑されず生き永らえて、子孫を残した事実から窺い知れます。
